熊本市の「市政だより」で記事を見かけるごとに申し込んでいた『
夜の熊本城めぐり』。人気の講座で、いつも抽選に外れてしまい残念な思いをしていましたが、念願かなって先日当選の通知を頂き、喜び勇んで出かけていきました。
『夜の熊本城めぐり』は年4回・2日づつ四季折々の熊本城を、熊本市文化財専門相談員であり熊本城顕彰会理事でもある
富田紘一先生の解説をお聞きしながらめぐるというもの。
今回巡ったコースは、開園時間が終わった熊本城のライトアップされた姿の
撮影ポイントでもあるので、写真がお好きな方にも参考になるかも。私はいつものお手軽コンパクトデジカメでISO感度高めに設定しただけの撮影ですので、機材も技術もある方ならもっときれいな写真が撮れることでしょう。ただ、足元が暗い場所もあるので怪我などをされないように
懐中電灯を忘れずに。
熊本城公式サイトの場内マップで
http://www.manyou-kumamoto.jp/contents.cfm?id=395 今回のコースを見ると
うまや橋を渡って、
熊本大神宮の駐車場から
東十八間櫓を眺め、
県立美術館分館向かいの遊歩道から
北十八間櫓を鑑賞。
不開門近くの平櫓をみて、木立の隙間から見える
大小の天守閣を確認。
棒安坂を上がって
監物台樹木園の前を通り、
二の丸広場から
宇土櫓や
天守閣を眺め、
西大手門から
西出丸に入り、
宇土櫓や
天守閣を見ながら
加藤神社へ。再び
西出丸を通って
南大手門から
行幸坂を下り
備前掘に映る
飯田丸五階櫓を鑑賞し、
長塀に下りて坪井川沿いを散策し
平御櫓脇の石段を上がって
須戸口門前で解散となっています(1:30程度)。

写真2は
北十八間櫓の様子です。石垣にあたっている光は説明のために懐中電灯で照らしたものです。よく見ると石垣が水平でないのが分かります。石垣を積み上げた後、にこうした歪みを調整しながら櫓は建てられているのです。建物と石垣の間に隙間があると敵の足がかりになってしまうので隙間が無いようにしなければならず、往時の職人の技術の高さが窺えます。
不開門近くのこの櫓は特に名前がついておらず須戸口門近くの「平御櫓」と区別するように通称「
平櫓」と呼ばれています。夜間照明によって、櫓の下の「
石落し」が浮かび上がって見えます。これは狭間などとともに、下から石垣の角を崩そうとする敵を攻撃するために設けられているものです。
棒安坂へと向かい遊歩道を歩いていると、「この辺りから
木立の間の天守閣が見られます」と富田先生。見上げるとなるほど、大小の天守閣が白く浮かび上げっています。全体写真がボケボケになってしまったので、ズームでもう一枚。

加藤神社の裏手の辺りからは、大天守閣は陰になり
小天守閣のみの姿が見られます。
棒安坂を上がって監物台樹木園の前を通り二の丸広場へ。こちらからは
移動しながら宇土櫓と大小の天守閣を鑑賞。立ち止まる位置によって3つの建物の配置が変わる様子を楽しみました(尚、宇土櫓が少しセピアがかってみえるのはライトの種類が違うためです)。
途中腰を降ろして、熊本城顕彰会の方の用意した『荒城の月』をBGMに月に照らされたお城の姿を眺める趣向も。
西大手門へと向かう
空堀の前で、本来水が溜まる筈ではないのに現在の経緯をお聞きし、文化財の整備のデリケートさを再認識。そして、西出丸へ。
西出丸でも、
宇土櫓と大小の天守閣を眺めながら、
加藤神社の前に到着。こちらから、城内一の高さの
宇土櫓の石垣が鑑賞できます。ちょっとした物見台(中央写真下部四角の部分)もあるので、その上の位置からも鑑賞。下を見るとこちらは空堀。この高さの場所の地質は本来水ハケが良く、水が溜まることは無いのだそうです。

加藤神社の境内に入り別の角度からも、宇土櫓と大小の天守閣を鑑賞(合成写真にしたたため、画像が荒れてしまいました^-^;)ゞ)。

神社でお参りをした後、再び西出丸を通って
南大手門から
行幸坂を下り、
備前掘脇を通りながら
飯田丸五階櫓を眺め、歩道脇の階段を下りて備前掘横の広場へ。こちらでは堀に映る飯田丸五階櫓の姿がきれいに見えました。風のある日の波打った水面に映る姿もまた趣があるものだとか。。。
そして、整備のため取り壊された馬具櫓の塀の石垣前を通って、坪井川沿いの
長塀の前へ。この辺りの石垣が照明の色が違って面白かったです。
説明の後、平御櫓の辺りの石段まで長塀前を歩き、須戸口門前の辺りで解散となりました。
夜間ということもあり、係りの方々に安全に気を配っていただきながら鑑賞することが出来ました。富田先生はじめ、皆さんありがとうございました。

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【data】
熊本県熊本市
2009/10上旬
熊本城
http://www.manyou-kumamoto.jp/castle/